自転車イベントに出てみたい!自転車を買ったはいいけど、次にどうしたらいいかわからない!
この連載では、ツール・ド・ニッポンの中の人「増田D」がそんな疑問にお答えします。
ツール・ド・ニッポンのイベントを例にして、自転車イベントに参加するときのポイントをお伝えしていきます!
第1回の今回のテーマは、「イベントの種類について」。
「〇〇ロングライド」「〇〇エンデューロ」「ツール・ド・〇〇」・・・カタカナだらけで、なんのことだかわからない〜!
この記事を読めば、イベントの種類について、少し詳しくなれます!
教えて増田ディレクター!
教えてくれる人
ツール・ド・ニッポンの中の人、増田Dがさまざまなサイクルイベントをディレクションしてきた経験と、元々自転車競技出身ではないビギナー視点で、はじめてサイクルイベントに参加しようと思っている方々をお手伝いいたします!
シリーズ 目次
(1)イベントの種類
(2)イベントの選び方
(3)エントリーの流れ
(4)本番に向けて準備しよう!
(5)いよいよイベント当日!会場へ行こう!
(6)いざスタート!
(7)番外編【雨ってどうなるの?】
その1 ~イベントの種類とは?~
サイクルイベントになじみが無い方は、イベントを見ても
これは競走なのか?
どのくらい走るのか?
自転車はなんでもいいのか?
そもそも自分の自転車の種類はなんなのか?
と疑問はつきないのではないでしょうか。
まずは細かいルールではなく、イベントにはどういう種類があるのかお話ししていきたいと思います!
「私も最初はどんなイベントに出たら楽しめるかわかりませんでした!自分に合ったイベントの種類がわかると、イベント探しが楽しくなりますよー!」
ポイント:イベントのタイトルから推測する!
イベントの種類は、イベントタイトルからおよそ予測することができます。
ですが、
・〇〇サイクリング
・〇〇ロングライド
・グランフォンド〇〇
・ツール・ド・〇〇
・〇〇エンデューロ
・〇〇ヒルクライム
・〇〇クリテリウム
などなど・・・。
呪文のようにカタカナが並んでいます。すべての意味がわかった方は、この記事は読み飛ばしていただいて大丈夫です!
これらの名前は、イベントのタイトルによく使われるものです。
英語やフランス語に加え、専門的な用語を使っているので、これだけ見ても自転車になじみのない方はどのようなイベントか想像がつかないのではないでしょうか?
ちなみに「〇〇」の部分には地域名や観光地名が入る事が多いです。例)かすみがうらエンデューロ、富士山ロングライド、伊豆半島1周サイクリング
そこで、イベント名とイベントの種類の関係について解説します!
【レース系】
自転車の種類によって様々なレースの種類がありますが、ここでは「ロードレース」の説明をします。
・ヒルクライム
・エンデューロ
・クリテリウム
がつくイベントは、基本的にはタイム・順位を競うレースです。サーキットを貸し切って開催したり、公道規制をして数十台から数百台の自転車が一斉に走ります。多くがロードバイクに乗ってレースジャージを身にまとい、上位を目指す人の中には、平日の早朝や休日にトレーニングとして、150~200㎞程度の距離を走る人もいます。
ヒルクライムは「クライム」が表すとおり、“登る”レースです。特に舗装された山道などを登っていきます。レースといっても登りなのでスピードはそこまで出ず、自分のペースで走ってゴールを目指すため、きつさはありますがマラソンに似ていて幅広い層の方に人気があります。年齢別でカテゴリーを分けるのが主流で、個人戦がほとんどです。
エンデューロは「長距離耐久レース」を指します。車やオートバイに興味のある方は馴染みがあるかもしれません。制限時間内に何周できるかを競う種目です。チーム編成によってカテゴリー分けされることが多く、男女比や自転車の車種で区別します。
クリテリウムは「短い周回コースを走るレース」を指します。本来の意味は「競技選抜」というフランス語です。決められた周回を速く走る種目です。ツール・ド・フランスの最終ステージではパリのシャンゼリゼ通りを封鎖して行う目玉の種目にもなっています。
どの種目も初心者でも挑戦することは可能ですが、レースの中で最も参加のハードルが低いのは、実はヒルクライムです!登りがきついイメージはもちろんありますが、遅くても良いので、自分のペースで完走を目指すことができるからです。エンデューロ・クリテリウムは上位選手とも一緒に走らなければならない場面があるので、初心者の方は練習をしっかり積んでから参加することをおすすめします。
【サイクリング系】
・ポタリング
・サイクリング
・ロングライド
・グランフォンド
と呼ばれるイベントは、決められたコースを時間内に走るイベントです。
走る距離や登り坂の多さによって厳しさは様々ですが、基本は交通規制は行わず、自動車や歩行者に気を付けながら公道を走ります。このイベントの楽しみはなんと言ってもエイドステーションの食べ物やコース途中の絶景です。なぜこういったイベントがあるかというとその土地の人々が外から来た人に対して「ここにはこんな美味しい食べ物、ステキな景色があるよ」と地域の魅力を伝えたいからです。思いっきりその土地の良さを堪能して、スポーツイベントよりは観光としてサイクリングイベントを楽しんでください。
エイドステーションとは食べ物、飲み物を参加者にふるまってくれる休憩所です。お腹がすいたところでその土地の食を口にすると美味しさは格別!自由に休みながら、焦らず自分のペースで走るイベントです。
【ガイドツアー】
グループの先頭に、案内をしてくれるガイドがつくツアーで、10~20名の小規模で開催されることが多いです。
ラフティング、キャニオニング、登山では案内をしてくれる「ガイドさん」がいますよね。サイクリングの世界でも同じようにガイドがいます。
これも距離や登りがどれだけあるかによってレベルは様々です。ガイドが常についてくれるので安心というのはもちろん、その土地の事を教えてくれたり、絶景スポットで写真をとってくれるので時にVIPな気分になれるかもしれません。
ただし!ツアーでは初めてその場で会う人たちと一緒に7,8人のグループで走る事が多いので、慣れていないと意外と大変なこともあります。自分のいつものペースではなく、周りの人たちとペースを合わせて走ったり、車間距離を保ったり、自転車に乗りながら周りの人とコミュニケーションをとる場面もあるので、少し自分にはレベルが高いかな?というツアーに参加してしまうといつも以上に疲れることもあるかもしれません。その分、同じグループで1日を共にすることで親睦が深まったり、参加するメンバーによって楽しみ方が変わることも魅力のひとつです。
【ゲーム】
・ロゲイニング
・オリエンテーリング
などと呼ばれる種目です。ツール・ド・ニッポンではライドハンターズと呼んでいるイベントがこれに該当します。
レースのようにスピードと順位だけを競うわけではなく、かといってサイクリングのようになにも順位をつけないわけでもなく。ちょうどレースとサイクリングの中間のいいとこ取りのイメージです。
ゲームなのでこれといった定義はありませんが、ライドハンターズですと半径約15㎞くらいのエリア内にスポットが50くらい設定されていてスポットは飲食店、観光地、絶景ポイントなど様々。コースは決められておらず、自分達で自由にその土地を巡ってポイントを獲得するゲーム型のサイクリングイベントです。開催場所も山間部だったり、温泉街だったり、街中だったりと色々な地域で普段では気づかない発見、出会いが楽しめるのも特徴です。
さらにライドハンターズでは写真がポイント獲得のカギとなりますので普段中々自撮りをしないという人も積極的に写真を撮るようになり、想い出がどんどん増えるのも楽しさの1つです。
参加は1~5人程度までと、ソロ、チームでも楽しめます。距離もペースも一番自由度が高いライドハンターズはもしかしたらイベント初めてという方にはピッタリかもしれません。
その他に「ツール・ド」がありますが【レース系】【サイクリング系】どちらでも使われる場合があります。これはフランス語で「一周する」というような意味で、イベントの形式を表現するものではありませんので、こればかりはWEBサイトなどでイベント概要をみて判断してください。
まとめ
もちろんここに当てはまらないイベント名のものも出てきますが、イベントの詳細をみていくと、この中の言葉のどれかを使って説明されていることがほとんどです。これらの用語からイベントの種類が予測できれば、自分がどのイベントに合っているか選ぶ際に便利ですので、ぜひ頭の片隅に入れておいてください!
種類 | 種類について | イベント名 | 例 |
---|---|---|---|
レース | ロードレース 順位・タイムを競う |
エンデューロ ヒルクライム タイムトライアル クリテリウム ツールド 等 |
かすみがうらエンデューロ 戦国ヒルクライム 柴山ジュニアタイムトライアル |
サイクリング | コースの完走を目指す | サイクリング ロングライド グランフォンド ツールド 等 |
伊豆半島1周サイクリング あしがらロングライド |
ガイドツアー | ガイドの案内のもと走る | ガイドツアー ガイドサイクリング 等 |
ガイドツアーin伊勢志摩 |
ゲーム | ミッションのクリアを目指す | オリエンテーリング ロゲイニング ライドハンターズ 等 |
フォトロゲイニング ライドハンターズ |
「私が初心者の方におすすめするのは『ライドハンターズ』!少し走り慣れてきた人は60km以下のサイクリングかな〜。」
「競技志向の方はぜひ『レース』にチャレンジしてみてほしいですね。ツール・ド・ニッポンのレースでは『初心者講習会』という、レースに参加するための事前講習を設けてるイベントもありますよ!」
ツール・ド・ニッポン パートナーショップ
当然これだけではすべてがわかる訳ではありません。
もし自転車をすでに購入された方であれば購入したショップでイベントの事、準備の事、メンテナンスなど色々と相談されるのが良いです。近くに相談できるショップや仲間がいる事は自転車ライフを楽しむうえでとても良い事です。
ただ、なかなかそうもいかないという方はツール・ド・ニッポンパートナーショップに相談をしてみてはいかがでしょうか?不安が事がたくさんあると思いますが、一人で抱え込まずにだれかに相談してみましょう!
我々ツール・ド・ニッポンとパートナーショップはスポーツ自転車を楽しむ皆さんを全力で応援しています。