紅葉の大自然の中を走る!激坂ロングライド
紅葉の大自然の中を走る!激坂ロングライド
秋も入り口の頃、長野県の北部に位置する志賀高原にて、第4回志賀高原ロングライドが開催されました!
志賀高原にまつわるものの名前をあげるとすれば、
「紅葉」「温泉」「さる」「そば」「りんご」「スキー」といったところでしょうか。
そのどれも、2,000m級の山に囲まれ、約1,900mもの標高差のあるこの地域ならではの自然が生み出した豊かな資源で
大自然に濾過されたミネラル豊富な雪解け水は作物を育て、寒暖差や斜面の多い土地もその一助となります。
そんな環境の中を走るこの『志賀高原ロングライド』。
コースは実は長い長い下り坂と長い長い上り坂で、決して甘いものではないのですが、自然を感じながらチャレンジするにはもってこいの、攻めのロングライドです。
(右側の道に見える小さな点が実際の参加者!)
エイドステーションには間近にジャンプ台を見れる場所も。
あそこからジャンプして飛距離を競うなんて常人ではない・・・。
一方で志賀高原の麓の川周辺は、開湯300年とも言われる温泉の街でもあり、駅の名前は『湯田中』、駅のすぐ裏には温泉もあり、どこかしこで温泉を楽しむことができます。
渋温泉などは温泉街としてすでに知名度もあります。
駅のすぐ裏に温泉が隣接していて、無料で足湯に浸かることもできます。
ホテルの玄関には注意書きが。今回はさるやきつねにも遭遇しました。
それでは早速、大会の様子をレポートにてお届けします!
毎年恒例、前日イベント!豪華じゃんけん大会
前日イベントは毎年恒例、ロングライドに参加する際の注意事項を学ぶ、「ロングライド講座」から始まります。
今回は第1回からの皆勤賞ゲスト、イナーメ信濃山形から中畑清監督と山下 裕大 選手、そして3回連続出場の宮澤崇史さんが参加。MCはJプロツアーのMCも務めるシンジさんが会場を盛り上げました。
参加者からの質疑応答では、標高差がある場所で気をつけることや、足がつった際の対処法、グループ走行時の注意点などが寄せられました。
大じゃんけん大会では地元産品や旅行券、液晶テレビなど豪華賞品が並びました!
最後に参加者で記念写真を★
朝の気温は4度!霜の降りた景色の中スタート
快晴で迎えたイベント当日。気温はなんと4度!関東はようやく秋の入口というのに、志賀高原はもう冬の気温です。
霜が地面を雪のように真っ白に覆っていました。
スタート整列はじっとしていると体がカチコチになってくる寒さ。毎年この機会にならないとすっかりこの寒さを忘れてしまっています。注意事項をしっかり確認して、いよいよスタートです!
志賀高原のゆるキャラ、オコジョの「おこみん」も一緒!
そんな115㎞コースを並走してみた!
並走です。今回私は運営の都合上走れませんでした・・・うぅ。・・・走りたかったな〜!
このロングライド、冒頭からやれ標高が高いエリアだ、地域の標高差が1,900mだと言っていますが、コースの高低図はこの通りです。
赤線の50㎞、緑線の85㎞はまだ凹凸の少ないように見えるコース。(それでも十分山岳コースですが・・・。)
オレンジ線の115㎞は真ん中の谷を下って、ひたすら登るという超ドMコース。獲得標高2,200mを超える、ロングライドというよりも長めのヒルクライムと言う方が適切な激坂が含まれています。
とにかくスタート直後は、下って
下って
これでもかってほど下って
嫌になるほど下ります。
このあとこれを登るんだよなというのが頭をよぎっても考えないことにしてひたすら下ります。
そしてなんと車でも1時間半ほど下ったところで、ようやく川沿いの平地について一息
束の間の休息と、気持ちのいい天気の中でふるまいを味わい、ここからの坂に向けて気持ちを整えます。
ちなみに下りは車より二輪のほうが圧倒的に速いですね。安全走行に越したことは無いですが、どうしても細かいコーナーは車では追いつけません。
どうでもいい余談ですが、「T字路」ってもともと「丁字路(ていじろ)」というそうですね。
現代語として定着していますが、法律や役所の世界では丁字路と表記することが多いそうです。
さて、予定通りにその後はひたすら、登って
登って
登って
登ります。
嫌になるくらい登ります。下った分登るのはわかって下ってきていても、下ったことをちょっぴり後悔します。
でも、登った先には必ず絶景があります。この感動があるからきっとやめられないんだろうなと。
一歩一歩踏みしめた後に待っている、最後に見える景色は最高のご馳走です。(走ってないですが)
登っているときは「こんなに下って、ひたすら登って、なにやってるんだろう」といつも思うのですが、
登りきってみると何故か「次はどこを登ろうか、どんな坂でも来い」くらいの気持ちになるのは毎度不思議です。
(先日、仁科峠を登りきったときに思いました。)
最後のゴールは全員でお出迎え。ボランティアスタッフの声援、そして宮澤さんのハイタッチ!
無事大会参加者全員がゴールとなりました。
エイドステーション紹介
毎年、エイドステーションでの地元の食が豊富な志賀高原ロングライド。
他のツール・ド・ニッポンシリーズに負けじと、今年もたくさん地元の食材を用意しました!
すべてのエイドステーションでりんごをふるまい!
斜面いっぱいに実らせたりんごを全エイドステーションで提供!このりんごが甘みと酸味が絶妙なバランスで本当においしい!
お土産にも買って帰りました。
山ノ内町の良く陽の当たる斜面はりんごの木でいっぱい。
第1エイドステーション おやき、オニオンスープ
下りのあとの体に染みる、あたたかいスープと地元名産のおやき。
おやきは色々な味がありますが、やっぱり野沢菜が個人的には一番好きです。
すぐ隣には放牧された牛が。
第2エイドステーション きのこ汁、木島平米のおにぎり
秋の味覚といえば、きのこ!そんな地元で採れたきのこをつかって、きのこ汁を提供してもらいました。
木島平米は実は「米・食味分析鑑定コンクール」にて主要3部門で「金賞」を受賞したお米。雪解けのおいしい水がおいしいお米を育てるんだそう!
第3エイドステーション はやそば、温泉まんじゅう
昨年好評だった長野県栄村秋山郷と山ノ内町須賀川に伝わる郷土料理「はやそば」を今年も提供!ゆでた千切り大根に水溶きそば粉をからめた全国的にも珍しい食で、無形文化財として認定される絶品です。
地元のおかあさんが、とにかくひたすら、そば粉と水を練って粘り気を出します!おかあさんの右腕が心配になってしまうほど・・・。
すっと笑顔ではやそばを振る舞ってくれました。
はやく出せるから「はやそば」という名前なんだそう。確かに茹でるよりははやい。だけどひとつひとつ手作りで、参加者全員分を振る舞うのはすごい!
温泉まんじゅうも温泉地ならではの地元の名産品です。
第4エイドステーション うずまきパン
渋温泉の名物として、地元の方に愛される「うずまきパン」。
おまんじゅうなどを作っているお菓子屋さんのパンなのですが、50年もの歴史があるそう。
昔は地元の運動会などでパン食い競走にも使われていたとか!
マーガリンが練り込まれた生地がこだわりで、あたためて食べるとまた別の味わいがあるんだとか!
第5エイドステーション 野沢菜、いなりあげ
野沢温泉という名前にもある地元の名産品「野沢菜」。
寒い地域でよく作られている塩漬けで、野沢菜の本場といえばこの地域です。
そして小腹が空いたときにもちょうどよい「いなりあげ」は、長野県長野市に本社を置く「みすずコーポレーション」から提供。
ゴール りんご、ぶなしめじ、えのき茸
最後に、完走記念バスケットを受け取って、お土産もゲット!
おわりに
コースはハードですが、エイドステーションの各所で地元の秋の味覚を堪能できる、そして大自然を感じながら、それはそれはものすごい達成感を得ることができるのがこの志賀高原ロングライドです。
イベントが終わって、おみやげ話ももちろんですが、家にはモノを持ち帰るのも大事・・・ということで、会場で販売していたりんごや、地ビールの「志賀高原ビール」など、たくさん献上品を買い込んで帰路につきました。
ところが帰路途中の宿泊先で飲みに出かけたところ、たまたま居合わせた隣の席のお客さんに呼び止められ、急に渡された松茸一箱。
まさかの「差し上げます」の一言に頭に「???」の文字。
長野って松茸とか有り余るほどあるの・・・?
本当にそのまま松茸頂いて帰ることになりました。
見知らぬ隣のお客さんとの出会いに感謝しつつ、秋の味覚にまつわる珍事件が一番のお土産となったのでした。