霞ヶ浦湖畔に自転車レース好きの人々が集結
RACE DAY | October 10 2015 |
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PLACE | KASUMIGAURA AYUMIZAKI PARK |
TEMPERATURE | 22.1℃ |
日本で2番目に大きな湖・霞ヶ浦。その湖岸にある歩崎公園をメイン会場に、第4回となるかすみがうらエンデューロが2015年10月10日に開催された。早朝の常磐自動車道での事故で、東京方面から来る参加者のアクセスに支障が出るというハプニングもあり、試走時間の短縮やスタート時間を10分遅らせるなどの変更があったもののレースは予定通り実施されることに。8時45分の試走スタート前には、会場に設けられたステージでオープニングセレモニーを開催。大会MCの南隼人さんや茨城県内のゆるキャラなどが登壇してセレモニーがスタート、かすみがうら市の坪井透市長や、ゲストの元バレーボール日本代表・山本隆弘さん、アーティスト/かすみがうら市ふるさと大使・オニツカサリーさん、パラサイクリング選手・藤田征樹さん、Project-K所属の佐藤咲子選手、女子自転車レースチーム・Ready Go JAPANのメンバーなどが挨拶した。
セレモニー後、参加選手はコースの試走へと走り出していく。また、ステージではReady Go JAPANの須藤むつみさんが進行役となり、レース参加クリニックを開催。レースに初参加する人やレース経験の少ない人に向けて、レースでの走り方のポイント・注意点などを説明した。このように、誰もが安心してレースに参加することができるのも本大会の特徴のひとつだ。
景観も起伏も楽しめる全長4.8kmのコースで勝負
レーススタート時間が近づき、霞ヶ浦の湖畔にあるスタート地点へと選手たちが並び始める。この場でライダースミーティングが行われ、コース走行での注意などが伝えられた。先頭にはゲストライダーが並び、レーススタートを待つ選手たち。そこへスターターを担当するタレントでかすみがうら市ふるさと大使のアントキの猪木さんが登場。選手たちに笑いを交えてエールを送った後、「イチ、ニー、サン、ダー!」というお馴染みの掛け声でスタートピストルの号砲が響く。そして、5時間エンデューロと2時間で行われるママチャリCUPのレースがスタートした。
選手はスタートすると、すぐに右折して霞ヶ浦から離れて進む。そして歩崎公園の外周に沿うように右にカーブしていく。公園入口の前を左折すると上り坂が現れる。決して長い距離ではないものの、なかなかの勾配で、周回を重ねていくと疲れでどんどんハードになっていく。坂を上りきると右折して、城郭型の建築物が目を引くかすみがうら市郷土資料館を右手に見ながら少し平坦な道を進むと、下り坂が見えてくる。ほぼ真っ直ぐに伸びる下り坂は、安全に配慮しつつもかなりの速度で走り抜けていく選手たち。坂を下りきると細い道へと入り、田畑が広がる景色を見ながら平坦な道を行き、神社を過ぎたコーナーを右折して霞ヶ浦へと向かっていく。
湖畔の道路へと上って右に曲がると、コースの約3分の1を占める霞ヶ浦の湖畔を走る。そしてスタート地点に戻り、4.8kmのコース走破となる。タイム計測はスタートエリアに設置、選手交代はピットエリアで行う。ピットエリアではチームメイトが仲間に声援を送り、レースの活気を最も感じられる場所だ。
スタートからしばらくして、会場入り口のゲート付近にはレース参加者とは別の人たちが自転車を持って集まってきた。これは、かすみがうらエンデューロと同時開催の「秋の収穫サイクリング」の参加者たち。かすみがうら市内を巡る27kmを走るサイクリングイベントは、エイドステーションで栗拾いやさつまいも詰め放題などができ、秋の味覚を楽しめる。エンデューロのスタートから20分後、オニツカサリーさんの掛け声でサイクリングも出発。親子での参加など、エンデューロとはまた違った層の参加者たちがコースへと漕ぎ出していった。
さまざまなペースで駆け抜けていく選手たち
参加チームすべてが一斉にスタートし、最初の一周はパレードランでオートバイの先導でスタート順を変えることなく進む。この一周目が終わると本格的にレースの開始。同じペースで走っていた集団がばらけていく。自らのペースで着実に進んでいく選手もいれば、同じペースで進む選手たちと一緒に集団になってレースを進める姿も。集団で走る様子は特に速いペースで走行する選手たちが多い。あまり速度を出さないクロスバイクやママチャリCUPの選手たちは、個々のペースをキープしている様子。また、コスプレで観衆の注目を集めている選手も複数いた。
走行していない選手たちは、グルメフェスやステージでのプログラムを楽しんだり、チームメイトの応援をしている姿が多く見られたが、中には自分の出番に向けてピットエリアでローラーでウオーミングアップを行う選手も。さまざまなスタイルでイベントを選手たちは楽しみ、レースは進んでいった。
ブースもステージも参加者を楽しませるものに
レースで走っていないときでも、いろいろと楽しめるのがこのイベントの特徴。自転車関連ブースではProject-KやTHOMPSONが出店し、さまざまな自転車グッズの販売や、最新モデルの試乗などを実施した。ユーズドサイクル、パーツ買取販売店のサイクリーのブースでは、中古品やアウトレットパーツなどお買い得な商品を揃え、来場者の注目を集めていた。ほかにも高濃度酸素水を扱うSPORTS OXY SHOTや、オリジナルのサイクルウェアを製作するPSIも出店し、会場を盛り上げた。
ステージでもさまざまなプログラムを実施。レース直後に行われたのが、茨城県内の市町村PRタイム。各地のゆるキャラや観光大使などが来場者に向けて地元の魅力をアピールした。茨城県内の市町村のほか、日本一大きな湖・琵琶湖エリアのPR担当者もステージに上り、琵琶湖を自転車で走る魅力などを紹介。プログラム終了後、ステージを降りたゆるキャラたちの周りには会場に来ていた子供が集まってきて、記念撮影をする光景が見られた。
続いて行われたのが、アントキの猪木ショー。レースのスターターを務めたアントキの猪木さんがステージ上でトークやものまねを披露。時には観客との掛け合いも交え、ステージは笑いが絶えない状態に。
大会MCの南隼人さんとゲストの山本隆弘さんは同時開催の「霞ヶ浦まるごとグルメフェス★2015」を紹介。ステージで簡単な紹介の後、実際にグルメフェスに出店しているブースに向かい、提供されている商品の食レポも。ブースの担当者の声も紹介され、魅力が伝わる内容だった。
5時間エンデューロ/ママチャリCUPに ご参加の全チーム対象で、9:00~11:30 の間、走った周回数に応じて「サイクルポイント」を進呈した。 「サイクルポイント」とは当日に 限り、かすみがうら市内の果樹園やお土産店、さらには会場内の物産展で割引クーポンとして利用できるコンテンツだ。かすがみうらエンデューロとしては初の試みで、参加者の方に市内で買い物をしてもらい、経済効果を生み出すためのものである。
グルメも音楽も同じ会場で楽しめる
メイン会場内で行われる霞ヶ浦まるごとグルメフェス★2015。霞ヶ浦周辺のご当地グルメが一堂に集結し、さまざまな味を楽しむことができるイベント。17のブースでは、それぞれご当地食材を活かした焼きそばやカレー、おにぎり、丼、パン、串焼き、揚げ物、スイーツなどを提供し、複数のブースで行列ができる状況も。このイベントを目当てに来場する人もいて、ご当地の美味に多くの来場者が舌鼓を打っていた。また、“ライダーのための野外音楽祭”と銘打った「野音祭 かすみがうらエンデューロ」がステージで開催され、茨城県を中心に活躍する3組のアーティストがパフォーマンスを披露。最初は、鹿島ご当地アイドルのかしま未来りーな。4人のメンバーが歌とダンスで会場を盛り上げる。2番目のアーティストは、ダンスボーカル男性ユニットのNEVA GIVE UP。笠間市の特別観光大使を務める彼らも、激しいパフォーマンスで観衆を魅了。そしてレース終了後しばらくして、ステージに上がったのがオニツカサリーさん。大会オフィシャルソング『エンデューロ』を始め、素敵な楽曲をバンドとともに披露し、サイクルジャージを来た選手たちもリズムに乗って盛り上がっていた。
最後まで楽しむことができるレースイベント
天気予報では晴れ間が覗くとなっていたが、ほぼ終日、雲が空を覆う天候。おかげで気温が暑くなることもなく、比較的好条件の下でレースが進んだ。そして、レース開始から2時間後には「ママチャリCUP」に参加した選手がゴールラインを越えてレースを終了。さらにその3時間後、「5時間エンデューロ」も終了時間を迎え、チェッカーフラッグが振られるなかを、選手は最終周回を走り切ってレース終了。レース参加者にはおみやげに地元名産のわかさぎの佃煮が用意され、走り終えた選手たちは、お土産を渡すブース前に列を作っていた。
レース終了後はステージにて表彰式が行われた。今回は上位入賞者に加えて、ブービー賞、そして10月10日開催ということで10位をとび賞で表彰。また、「5時間エンデューロ」では筑波銀行賞や、最北端と最南端からの参加者を表彰するかすみがうら市賞も設けられ、これらもステージ上で表彰された。 表彰式終了後に行われたのは、参加者全員でのじゃんけん大会。自転車グッズやご当地の名産品などが景品として登場し、勝って景品をゲットした人たちは皆笑顔に。こうして、レースだけでなく、さまざまなイベントで盛り上がったかすみがうらエンデューロ。参加者は誰もが満足するなかで終えることができた。