初めまして、ライターのかほです。出身は今回のコースのエイドコーナーにも指定されている、深海魚で有名な西伊豆某所、バッチバチの伊豆っ子です。
まずは今回の伊豆いちにご参加の皆さま、お疲れ様でした!楽しかったですか?わたしは「伊豆ワンウェイ下田50km」のコースに、パートナーのE-BIKEで参加しましたが、とっても楽しかったです。参加決意の心境から当日の様子まで、赤裸々に綴ったレポートをお届けします。
9月某日、私の参加のきっかけは、160kmを走るという友人からの誘いでした。私の返答はというと、「地元民だしルートが分かるから言うけど、車で走る道じゃん。伊豆の坂を自転車で・・・考えただけで地獄、パス!」。
言葉どおりに当初は、潔くパスしようと思っていました。ルートには、下田市役所をスタートし、ゴール地点には伊豆高原駅とあります。その距離45.9kmは、車で約1時間の距離。あのカーブもあの坂も、目に浮かびます。わかる、絶対にしんどい。
そもそも私が自転車(クロスバイク)に乗っていたのは今から約8年前、京都で過ごした大学時代に遡ります。中心部は平地で走りやすく、観光名所は10km四方の範囲に凝縮されている街です。
何と言っても、当時はまっていたラーメンを食べに行くのに、自転車で行くとエネルギーを消費することで2軒のハシゴが出来たので、食いしんぼうなわたしには大変うれしい乗り物でした。
その後何度か生活環境が変わり、私の自転車はどうしているかというと、今や玄関で静かに佇んでいるだけ。あの頃の輝きは失われています。どう考えても、伊豆の坂を越えられる訳がありません。・・・ブランクは8年。幾晩か悩んだのちに、スタッフをしている友人に相談をしました。
「覚悟はいるよね、でも電動バイクだと坂もスイスイで楽しいよ!」
なんと。思いつくことのなかった提案をされました。すかさず電動バイクについて検索をすると、スポーツアシスト用の自転車、「E-BIKE」というものがあるというじゃないですか。(MERIDA X BASEでレンタルが可能です。)
「わたし、出るー!」
このように、伊豆の坂を越えるパートナーに電動バイクを指名したことで幾分か心の余裕を持った私は「伊豆ワンウェイ下田50km」への参加エントリーをしたのです。(割と気軽に)
結果的にこの決断は間違っておらず、「車とは違う風景で地元を辿りたい」という(ちょっと後付けした)希望を見事に叶えることができました。
旅の出発は、伊豆高原駅。「伊豆ワンウェイ下田50km」のコースでは、ゴール地点でもあるこの駅よりサイクルトレイン車両に乗り込み、スタート地点の下田を目指します。
私は160kmに出場をする友人の背中を見送った後に車で伊豆高原駅に向かい、駐車場に停めました。(輪行も可)
ホームに到着した8:15時点で、すでに参加者の皆さんは多数乗り込まれている様子。伊豆急行さんのご協力によって団体貸切にされた車両は、数車両分が自転車の積み込みスペースとして解放されており、各々手すりに括られた紐を使って自転車を固定していきます。こんな電車、見たことない!
十分にスペースが確保された自転車たちが醸す、これから始まる一日へのワクワク感がすごい。
こちらは車窓から臨む風景。ついつい窓際に足が向かい、キラキラとした穏やかな海面に目を細めながら、遠くの島々を眺めます。この景色は、季節を問わず楽しめるのが嬉しいところ。
あっという間の30分間の伊豆急行の旅を終えて、終着点である伊豆急下田駅に到着です。
自分の自転車を持って関所の門を模した改札を抜け、スタート地点の下田市役所を目指します。(この頃の私はと言えば、緊張のあまりヘルメットを前後逆に被るというハイパー違和感からのスタート。)
駅から徒歩2分で、スタート地点に到着。受付を済ませ、補給食で提供される下田名物の「ハリスさんの牛乳あんぱん」を受け取り頬張る参加者の皆さん。(私は緊張して食べれず。でも、ファンです。)
9:50より注意点などのアナウンスが入り、いよいよ出発の10時を迎えます・・・!10人ぐらいずつの小団体でスタートを切りました。
最初の7kmはほぼ平坦な道を進みます。ちなみにe-BIKE、平坦な道での恩恵は思っていたよりも少なめ。坂道に備えて無駄に節電(不慣れのためいらんことした)をしたせいで、最後尾のサポートライダーさんのお世話になりました。ちなみにめちゃくちゃ優しかったです。
そして「ここから約7km登り」の看板が登場、ここぞとばかりにE-BIKEの出番です。アシスト力の強い順に、パワー・オートマチック・ロングの出力3段階調整が可能ですが、私はビビりなので節電のためロングに設定し、様子を見ることに。
勾配が続くこの道のり。E-BIKEは細かいギアチェンジも可能で、しっかりとペダルに力が伝わる感覚もありました。おややや、これは噂に違わず快適・・・。
7kmの登り坂のピークは、伊豆の踊り子が描かれた「峰山トンネル」。ここからはご褒美タイムの、気持ちの良い下り坂が続きます。勢いを失わぬまま、第一エイドステーションである河津へ。
河津では、普段は電話予約でしか食べることのできない「ふるさと小麦まんじゅう」を補給します。手作りのおまんじゅうは、素朴で優しい味わい。ぎっしりと詰まった程よい甘さの餡子に、噛めば噛むほど味の出る生地。充分な休息を取ったら、次のエイドコーナーである東伊豆町を目指します。
ここからは、海を眺めながらのフィーバータイム。来る時に乗った、伊豆急行線の各駅をたどっていくようなコースです。平坦な道では足の力に頼り、坂ではE-BIKEの恩恵にあやかるスタイル、これぞファンライド。
そして、いくつかの小さな坂の上りや下りを経て、楽しみにしていた「稲取キンメ」の味噌汁が食べれるカネカストアへ到着しました。テーブルに椅子も準備されたこのスペースでは、他のコースへの参加者の姿もちらほら。
大鍋で作られた、金目鯛を贅沢に使用した味噌汁には、ゴロゴロとした身が沈んでいて嬉しい!あ、でも足を止めると疲労物質が溜まる・・・。
どっと疲れが出るかなと思っていた後半、眼下に広がる海の風景や、秋の醍醐味である金木犀の香りに出会いました。時期的にタイミングがよかったのか至るところでススキや、黄色い花はセイタカアワダチソウでしょうか?私たちの視界を楽しませてくれました。
いよいよ、旅はクライマックスへ。
伊東の街を見下ろします。最後の坂の頑張りを前に、心配して節電に努めたE-BIKEの充電の確認をしたら、めちゃくちゃ残量がありました。初めてアシストレベル最大の「パワー」に設定し、坂を登ると・・・あまりのスムーズさに驚愕。こんなに坂道が楽しいこと、あります?パワフルモード最高!るんるん気分で伊豆高原駅を目指します。
「パワーモード」の味を占めた私は、駅まで一直線。伊豆高原駅では鮭おにぎり(おかか・鮭の2種類から選べる)と、お菓子の街・伊東ならではの銘菓を頬張ります。帰ってきた感がすごい。
下田から伊豆高原までを駆け抜けたという事実と、伊豆に吹く秋の風を気持ちよく感じることができたこと。地元の美味しいもの、再発見。
「ファン」の生み出し方、感じ方は人それぞれ。初心者だから・ブランクがあるから・体力に不安があるから、そういった問題点の解決策も、実は用意されている場合があります。
ちなみに、伊豆高原駅内にある「伊豆急トラベル伊豆高原」でも電動アシスト自転車のレンタサイクルが可能です。詳しくは伊豆急レンタサイクル 伊豆ぽたをご確認ください!自転車で巡る伊豆高原、良いですよ〜!
わたくし、次回もぜひこのコースに参加したい所存・・・自前のロードバイクでね!それでは皆さんまた来年、ツール・ド・ニッポンでお会いしましょう。
P.S.せっかく伊豆にいらっしゃった皆さん。ぜひライドの後には温泉をキメ、地元の滋味やビールを楽しんでくださいね!
Writer kajo
静岡県・伊豆出身。重度の放浪癖あり、直感と好奇心をもとに、純粋に観察し大胆に発信をする。趣味は料理とキャンプ。引きこもり属性のアウトドア。