こんなに近くに大自然が?”里山”のような豊かな自然を巡るロングライド
朝がぐんと冷え込む秋のはじまり、10月8日。
神奈川県と静岡県の境目に位置する開成町をスタートとするロングライド、「足柄ロングライド」。
過去にも開催されていたこのイベントですが、ツール・ド・ニッポンとしては初の開催となります。
2月に行われた「サイクルチャレンジ in かいせい」でのライドハンターズは、このイベントへ向けた足掛けイベントともなっていました。
もちろん、この10月の大会でも、「ライドハンターズ in 開成」を同時開催!
普段はあまり自転車に乗り慣れないファミリーや初心者でも参加しやすい内容となっています。
目次
―足柄ロングライドとは?
―こんなに自然豊か!山あり、平野あり、街あり
―丹沢湖を眺める
―ありがちなコース設定を外れる
―同時開催、ライドハンターズ
―おわりに
足柄ロングライドとは?
舞台は、神奈川県と静岡県の県境、酒匂川の豊かな水の恩恵を受けて、自然豊かな景色が続く「開成町(かいせいまち)」。
富士山の麓が近く、北側には神奈川の連なった山「丹沢山」「大山」があります。
朝焼けの美しい10月8日、気温は16度。
参加者総勢700人が開成水辺スポーツ公園に集まり、受付を済ませスタートの用意をします。
スタート・ゴール会場となる「開成水辺スポーツ公園」。
普段から地元の方がスポーツイベントを開催したり、のどかな景色の中、活気のある場所です。
会場には開成町の公式キャラクター「あじさいちゃん」も駆けつけてくれました。
開成町にショップを構える「サイクルショップエンドウ」さんも会場に出展。
会場ではカラフルなハンドメイドサイクルキャップや補給食、自転車ツールなどの販売されていました。
オーナーの遠藤さんがどんな方も優しくサポートしてくれます。
コース上でもメカニックとして同行していただきました。
町長からは「引っ越しお待ちしてます」とのコメント。直球です。
ゲストライダーとしてリンケージサイクル田代さんが参加。参加者のみなさんと一緒にコースを走ります。
田代さんの指導でヘルメットのかぶり方を全員で確認。「おでこが出ているときちんとかぶれていない証拠です。なにより写真に写ったときに格好悪いです!」
朝焼けに山が照らされ、いよいよスタートです。
あじさいちゃんに見送られて、いってらっしゃい〜。
こんなに自然豊か!山あり、平野あり、街あり
紅葉色づく山を横目に、丹沢湖をぐるっとまわる今回のコースがこちら
100kmコースと65kmコースの2コースがあり、65kmコースは100kmの前半の勾配をショートカットしていきます。
今回は100kmコースの様子をご紹介します。
スタートからすぐは、川沿いをのんびりとポタリングするコースです。徐々に体を温めて、このあと待ち受ける激坂に備えます。
川沿いから内陸に入ると、急に山深い道に入ります。休憩ポイント・エイド1まではほぼ登り基調で結構なダメージを負います。
エイドステーション0(休憩ポイント):おんりーゆー
足柄市にある「おんりーゆー」は山道を抜けていった先にある温泉施設です。
「モダン温泉」を謳った施設はとても新しく、アルカリ性単純硫黄泉のぬる湯(約38度)が心地よい温泉が湧きます。宿泊をすることもできます。
バスでも上がってくることができるので、都会の喧騒を離れた宿泊地としても良さそうです。
地元のみなさんが補給食のバナナと、湘南ゴールドエナジーが提供されました。
神奈川県が開発した「湘南ゴールド」という名のみかんを使ったエナジードリンクです。見た目はレモンのような黄色い果物です。
エイド1:地蔵堂駐車場
休憩所から一旦坂を下ったかとおもえば、また更に隣の山を登ることになります。
そんな坂を登りおえて到着するのがこちらのエイドステーション。
景色は最高です。
100kmの参加者の休憩スポットとなっています。
65kmコースは、このキツい坂エリアはスキップとなっています。
足柄といえば、金太郎の里。南足柄市の英雄・金太郎のマサカリにちなんで名づけられた、「まさカリーパン」が振る舞われました。
中身のカレーは箱根・富士屋ホテル総料理長の独自レシピで、足柄牛とゴボウを使っているのが特徴です。
ここでうんちくをひとつ。そんな力持ちの金太郎。実は一族にも名を残している人がいます。金太郎の元の名は「坂田金時(さかたのきんとき)」と言いますが、息子の名を「坂田金平(さかたのきんぴら)」と言います。この金平さんも力持ちで、歯ごたえがあって精がつく食べ物「ごぼう」を甘辛く煮付けたあの「きんぴらごぼう」の名前の由来になったと言われています。坂田一族は強さの象徴だったようです。
エイドステーションごとに集合しながら進むチームもあります。
山の中を登ったあとは、川沿いを丹沢湖に向かって進んでいきます。
東名高速道路の真下を通過したり、小さな滝が流れるミニトンネルを通過したりとちょっと変わった裏ルートを楽しみながら進んでいきます。
丹沢湖を巡る
コース中盤は、丹沢湖目指してとにかく坂を登っていきます。
ここからが最難関です。距離は決して長くないのですが、とにかく急な坂が続きます。
動物注意の看板も多く見られます。都内から車で1時間の距離なのに、どこか遠い土地に来てしまったかのような気分になります。
エイド2:玄倉商店
ハイキングコースの入り口にもなっている、玄倉商店前の広場がエイドステーションになっています。
こちらでは地元の「足柄牛のコリコリ焼き塩焼きそば」が振る舞われました。開成町のイベントでは常連の人気商品です!
「足柄牛とは?」
丹沢の水と足柄の豊かな自然環境のもと、健康的に育まれた交雑種。仔牛から月齢24~30ヶ月で出荷するまで牧場一貫飼育を実施している。足柄牛生産者推進協議会を設立し、勉強会や講習会、研修会を実施している。成長に合わせ餌は5段階。地元産のワラや牧草を粗飼料として、大麦、小麦、麦ぬかなどを中心とした配合飼料に特産品の足柄茶粉末を加えて与えている。肉質はきめ細かくしっとりとしており、サシ(霜降り)が入るのが特徴。
丹沢湖のすぐほとりにあるエイドステーションです。
この日ちょっと水量は少なかったのですが、それでも青い空と青い湖が目の前に広がっていました。
エイド3:ウェルキャンプ 西丹沢
エイド3:ウェルキャンプ 西丹沢
いよいよコース最高標高地点。そして丹沢湖の奥地にある秘境に向かいます。
距離にして約7km。ただここまで登って、下ってを繰り返している足は結構疲労困憊。。。
でもみなさんカメラを向けると思わず笑顔です。
最高地点の「ウェルキャンプ西丹沢」。この日も多くの家族連れがキャンプを楽しんでいました。
提供品の「足柄牛のおにぎり」と中井町のトマト農家が作っている新鮮なミニトマト「湘南ポモロン」です。
鮮やかな色が美しい!緑や黄色のトマトもありますが、熟していないわけではなくすっごくおいしい!
最高地点までお互いが登りきったことを確認して、ここからは一気にくだっていきます。
エイド4:丹沢湖無料駐車場
この先は、しばらく丹沢湖周辺をのんびりサイクリングです。
一部区間は一方通行となっているため、前からの車を気にすることなくサイクリングを堪能できます。
こちらも丹沢湖沿いの場所です。秋には紅葉観光で人気の場所でもあります。
くだりで少し落ち着いた体に、甘いものを補給できます。
こちらは大名行列の主役「赤坂奴」をかたどった「奴さん最中」。皮の中にはつぶあんがたっぷり詰まっています。
他にも蒸気機関車「D52」をモチーフにした「D52(でごに)饅頭」、「足柄茶」が振る舞われました。
ありがちなコース設定を外れる
今回のコース設定で、担当者が最もこだわったのが、「国道246号線を走らないこと」。
新しいルートを発見してもらいたい想いを込めて、脇の小道をずっと走るルート設計となっています。
東名高速の下を抜ける景色は壮観です。
ひっそりと手入れされたお茶畑もありました。
そして開成町の街を抜けて
いよいよゴールです!
最終走者を全員で出迎え、無事、大会は終了となりました。
一方その頃・・・
一方その頃・・・
開成町内ではライドハンターズ in 開成が同時開催されました!
ライドハンターズとは?
ルール
あらかじめ指定された「スポット」を、制限時間内に自転車でできるだけ多く回って、獲得した総合得点を競うサイクリング。得点は写真を撮ることで獲得します。
どういう順番でまわって、どういうルートを設計するかは、プレーヤーの自由です。
どれだけ速く走れるかではなく、いかに短時間で効率よくポイントを稼げるかが勝負の鍵。
ここが楽しい!
スポットは観光名所や飲食店など網羅されているので、普段知らないその土地の魅了に触れることができます。
地元のソウルフードを食したり、地元の名物おじさんのお店に立寄ったり、普段通らない新しい道を発見したり。人それぞれに多様な楽しみ方ができるので、体力に自信のない方でも参加できます。
ちなみに今回はこんなミッションが発動されたようです。
「MC片岡さんと遭遇できたらポイント20点追加」
「11時〜11時半に鉄道公園のSLと写真を撮れたら20点追加」
こんな風にミッション得点は、特定の時間に特定のミッションをクリアすると高得点がもらえて、ポイント争いをかき乱します。
4時間のゲーム時間を終了したら、参加者全員で入賞写真の発表を待つため、画面を囲んで集合します。
入賞者インタビューも盛り上がります。
ちなみに・・・得点の計算ですが、実は事務局が人力で行っています。
※昼食の休憩中失礼しました。
おわりに
いかがでしたか?
写真を見返すと、緑・緑・緑・・・空の青、ひすい色の川。
車でちょろっと移動してきただけとは思えない群馬もびっくりの山々がこの地域には溢れていました。
「鹿注意」の看板もそうですが、金太郎も一緒にいる通り「熊」もいるのかと思うと、私たちは改めて自然のすぐ近くに生活しているのだなぁと考えたりします。
当日の事務局厳選写真はこちら
Facebookにて当日撮影した写真を掲載しています。